SDGsの17ゴールで整理したサステナビリティ型ルールのマッピングです。SDGsを中心に市場のルールがどのように変化しようとしているのか、規制の観点から知ることができます。
SDGsが進展する中で、国際社会の投資家・企業・消費者の間にも意識の変化が起こっており、現在は国際規範の過渡期であると言えます。それに伴い国際機関やNGO・NPO、同士国などが主体となって、規制だけでなく自主的な取り組みも含めた新たなガバナンスの形が生まれてきています。その中で日本企業が競争力を高めるためには、各ルールを俯瞰しながら、経営の立ち位置を決めていく必要があります。
本レポートでは72ものサステナビリティ型のルール形成を取り上げています。SDGsのゴール一つ一つにおけるルール形成の総論に触れることで、国際的な流れを俯瞰することができます。
また、総論として、①ルール形成の動向、②想定されるビジネスリスク、③想定されるビジネスチャンスの三つがあり、これらは17の目標全てについて記載されています。
この調査からの示唆として、以下の五つが述べられています。
- サステナビリティ型のルール形成は増加しており、今後もこの傾向が続くことが予想される
- 規制や法規などの強いルールだけでなく、認証などの任意参加型のルールや民間主導のガバナンスなど、ルールのレベル感が多様化している
- 一つ一つのルールの射程が複数の目標となっていることが多い
- ルール形成への理解・対応が遅れている日本企業は潜在的にリスクを抱えている
- 任意型のルールであっても、そのルール形成に主導的な立場をとっていた企業・早期から対応した企業は国際競争力の点で優位に立っている
そして本レポートの最後のセクションには企業とNGOがルール形成においてどのように協議を行ったかに関する事例研究も付されています。
今後もルールが増えていくと予想される中で、全体的なトレンドを掴むことは必須となっています。関係する目標のルール形成の動向やビジネスリスク・チャンスについての概観を掴み、個別具体的なルール形成の状況・影響や協議について学ぶことは、将来を見通す一助となります。
発行元: 独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)