大阪市が発行する大阪市人権だより『KOKOROねっと』の、12月発行の第44号特集「SDGs(エスディジーズ)を考える」において、弊社代表理事の記事が掲載されました。

寄稿を通じて、新型コロナウイルス感染症により人々の毎日の生活が劇的に変化してしまった世の中で、国連が掲げるSDGsの達成のために個人が身近なところでどんな行動をしていく良いのかなど、解説しています。

SDGsの観点から見ると、新型コロナウイルス感染症がもたらした社会の最も重要な変化は、地球規模の課題に対する共感が一気に広がったことです。

SDGsは世界が持続不可能であるとあらゆる場所で主張されてきていたものの、貧困・環境・紛争といった地球規模の深刻な課題は、多くの人々にとって「遠いどこかの話」であるとしか思えず、自分の身の回りで起きている事と結び付けて考えられなかったため、頭では分かっていても、自分事として共感している人はあまり多くないというのが現状でした。

このコロナ禍は、最初は新聞やニュースで見ていた中国で発生した風邪ウイルスの発生が、あっという間に日本やそれ以外の国に広がり、自分自身の周辺にまで及び、人々の毎日の生活スタイルを一変させてしまいました。この経験を通して、人々は今まで当たり前だった生活が実は非常にもろく、限界を超えた世界がいかに脆弱であるかを思い知らされました。

コロナ禍とは、SDGsの目標3に包括されている感染症の問題であり、SDGsが示している社会が抱える課題そのものであるといえます。また視点を変えると、感染者数がこれほどまで拡大した背景にある衛生環境、都市の過密化、環境汚染による住民の免疫力低下、国際機関や各国の連携不足による水際対策の遅れなどは、どれもSDGsに書かれている社会課題であることが注目されます。もし今まで提唱されてきたSDGsに対して、以前から国や個人が適切な対策を行っていたなのであれば、今回のようなパンデミックは起きなかったかもしれません。

 SDGsの目標の中には、手洗い・うがいの他にも、食べ物を捨てない、水筒を持ち歩く、投票へ行く、プラスチックをリサイクルする等々、個人レベルできることがたくさんあります。個人、家族、会社、地域・業界、社会全体といったあなたが属するそれぞれのレベルにおいて、実施できるSDGsの取り組みは異なってきます。自分事としてとらえて、実践していくことが重要です。