SDGs市民社会ネットワークが取りまとめた2019年に行われた参議院議員選挙に向けた日本の政党のSDGs公約集です。

企業にとってのお役立ち資料という趣旨は外れますが、将来的なSDGsの広がりの可能性を知る上で、有用な情報となっています。

「誰一人取り残さない」という理念のもと、SDGsはあらゆるステークホルダーの全員参加が原則でしたが、これまで取り残されていたアクター、そして業界がありました。それが、政党、そして政界です。

SDGsや国連に関する議員連盟の創設・運営やイベント・会合の実施等にはこれまで多くの政治家が関わってきました。しかし、SDGsの側から政治を評価・分析対象として見る例はありませんでした。

これからSDGsに政治を巻き込んでいく中で、フロンティアとなる資料と言えます。 SDGsが政治・選挙の領域まで広がってきた最初の一歩として注目されます。

2019年7月21日に行われた参議院議員選挙に際し、SDGs市民社会ネットワークが各政党の公約・政策の中からSDGsに直接的・間接的に触れているものを抜粋しています。

主な内容は次の通りです。

自民党

選挙公約・政策ともに記載がなされている。経済政策の文脈でSDGsが触れられていることが多い。

  • エネルギーの安定供給・自給率向上を進める
  • ESG投資を加速する
  • 地域創生にSDGsを活用する
  • 大阪万博を通じてSDGsに貢献する
  • 女性が活躍できる社会をサポートする
  • 科学技術イノベーションを世界的にリードしていくとともに、ICT産業の競争力を高め、ICTインフラの輸出を行うことでSDGs達成に貢献する

公明党

各政党の中で最も野心的である。公約ではなく政策集に全て記載がなされていることも特徴。

  • SDGs教育を普及させる
  • 企業のSDGsへの取り組みを後押しする
  • 中小企業に関しては認知度向上や具体的取り組みを後押しする
  • 地方創生への取り組み及び自治体のSDGsへの取り組みを支援する
  • 一人一人の多様性・尊厳を重視するような取り組みを行う
  • 人間の安全保障に基づき、平和と繁栄への貢献で国際社会をリードする
  • 新たな成長を促すような環境問題対策(特に気候変動対策)に取り組む
  • フードロス削減に取り組む

立憲民主党

政策集にはSDGsの記載がない。特に女性のジェンダー問題に焦点を絞っていることが特徴。

  • SDGs17ゴールの達成を目指す
  • 特に女性の活躍に、国内外を問わず取り組む

国民民主党

公約・政策集ともにSDGsへの記載はあるが、特にターゲットなどを絞っての議論は行われていない。

  • 人間の安全保障に基づいた外交の展開
  • SGDs達成への貢献

日本維新の会

SDGsに関する記載なし。

日本共産党

安倍政権のもとで行われているODAがSDGsの理念に反していると批判しているが、具体的なアクションについての記載はない…

れいわ新撰組

SDGsに関する記載なし。

社会民主党

SDGsに基づいたまちづくりを行うことを公約に掲げている。

発行元:一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク