日本政府のSDGsの取り組みにおいて中核的な位置づけにある首相官邸のSDGs推進本部が、2019年度の具体的な取り組みをまとめました。本アクションプランの作成元となるSDGs推進本部及び背景にある日本政府の体制についてはこちらをご覧ください。

概要は以下の通りです。

<趣旨>

日本は、豊かで活力のある「誰一人取り残さない」社会を実現するため,一人ひとりの保護と能力強化に焦点を当てた「人間の安全保障」の理念に基づき、世界の「国づくり」と「人づくり」に貢献。SDGsの力強い担い手たる日本の姿を国際社会に示す。

<活動の方向性>

国内実施・国際協力の両面において、下記の活動の3本柱を中核とする「日本のSDGsモデル」をG20大阪サミット、TICAD7、SDGsサミット等の機会を活用して、国際社会に共有・展開。その上で、本年中にこれらの各種取組を統合・発展させる形で『SDGs実施指針』を改訂する。

<活動の三本柱>

1.SDGsと連動する「Society 5.0」の推進

2.SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり

3.SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/dai7/siryou1.pdf

一見すると内容が網羅的過ぎて分かりづらい面もありますが、日本政府としてのSDGsに関連する政策が包括的に取り込まれており、全体像を見渡したうえで各要素を一覧することができて便利です。また、日本政府としての取り組みを統合し、強化していく役割を持っており、SDGsの解決策の具体化という視点では、重要な意味を持っています。

従来から日本政府が世界に向けた発信に取り組んできていた外交アジェンダがSDGsという文脈の中で再び強調されている点も本アクションプランの特徴と言えます。

例えば、日本政府は途上国を中心とした世界各国においてコストのみ安く質の低い道路、鉄道、発送配電、水道等のインフラ建設により、老朽化や災害時などの際に人々が危険にされされている状況に対し「質の高いインフラ」を世界の標準化すべく国際的な働きかけを続けてきました。この一つの国際合意である「質の高い投資の推進のためのG7伊勢志摩原則」に基づく各種取り組みについても、本アクションプランの中に含まれています。

また、日本の国民皆保険制度を発想の原点として、世界中の誰もが健康でいられるための医療保障制度を含む社会システムを目指す「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」のイニシアチブも、本アクションプランの中ではSDGsの重要な解決策の一つとして説明されています。

なお、本アクションプランは半年に一度開かれるSDGs推進本部会議を踏まえて、毎年更新されていきます。2020年以降の最新版の入手については、こちらのサイトをご覧ください。

発効元:首相官邸SDGs推進プラットフォーム