SDGsの世界的な潮流は企業にとって市場環境の変化を意味しています。SDGsの社会全体への浸透は急速に進展しており、その中で自社に商機が見つけられることを疑う経営者は少なくなりつつあります。

こうした中、多くの人の関心事となっていた「SDGsがもたらす商機というのはどの程度大きなものか?」という疑問に対して、一つの目途を与える出来事がありました。それは、世界経済フォーラム(WEF)の2017年の年次総会(ダボス会議)で共有された、「SDGsは2030年までに12兆ドルの新たな市場機会を産み出す」という試算でした。

この会議を機に、SDGsがいかに大きな市場環境変化であるかを理解し、「それでは、その市場機会を掴みにいかない手はない」という民間セクターの風潮が産まれました。「12兆ドル」という数字は今や非常に有名になっており、一人歩きしている感もあります。今後の自社での展開を考えていく上で、この数字の発端となった原典を押さえておくことは自社の足場を固める意味でとても大事なことです。

ここで紹介する『よりよきビジネスよりよき世界(Better Business,Better World)』というレポートは、ダボス会議においてその試算の根拠となったものです。オリジナルのレポートは英語で書かれていますが、日本語訳があるためそれを掲載します。

発行元の「ビジネスと持続可能な開発委員会(Business &Sustainable Development Commission)」は、2016年1月にダボスで設置され、2018年1月までの2年間でSDGsの成果とビジネスセクターの貢献を測ることを目的に活動する時限的な委員会です。国連基金、英国国際開発省(DFID)、スウェーデン国際開発協力庁(Sida)、オーストラリア外務省などの公的機関の他、ビル&メリンダゲイツ財団やユニ・リーバなどの民間アクター等の支援により運営されています。

本レポートの中に、「グローバル目標を達成することで、12兆ドルの機会創出になります。」という記述があります。また、これは、検討対象になった食料・農業、都市、エネルギー・資源、健康・福祉の4分野のみでの試算であり、実体経済の6割程度とされています。そのため、残りの4割の経済活動の中での市場機会創出を足すと、SDGsのポテンシャルは更に大きくなるとされています。

ダウンロード:『よりよきビジネスよりよき世界(Better Business, Better World)』ビジネスと持続可能な開発委員会(Business & Sustainable Development Commission)