イギリスの金融行為規制機構(FCA:Financial Conduct Authority)は、グリーンウォッシュ投資商品から個人投資家及び機関投資家を守るための新ルールをコンサルテーションペーパー(関係者からの意見を聴取する目的の諮問書)CP22/20として発表しました。

新ルールは、投資商品を目的と、その目的を達成するためのアプローチからSustainable Focus、Sustainable Improver、Sustainable Impactの3つのカテゴリに分け、サステナビリティ商品としての特徴が分かり易くなります。それぞれ要件が示されており、それらに適合しない場合はこれらのラベルは使用できません。

出典:FCAのCP22/20

今後2023年1月まで意見を聴取後、同年6月末までに新ルールの内容を確定し、2024年7月以降に施行予定とのことです。

FCAは新ルールを英国の2050年のカーボンニュートラル達成に貢献するものと位置付けていますが、TCFDや議論が進むISSBといった国際基準や、EUのサステナブルファイナンス開示規則(SFDR:Sustainable Finance Disclosure Regulation)、米国証券取引委員会(SEC:US Securities and Exchange Commission)など他国の金融当局とも情報交換をしながら制定したことから、今後EUや米国でもこうした規制が強まっていく可能性が高いと言えます。

日本でも、金融庁が2022年5月に「資産運用業高度化プログレスレポート2022」を公表し、その中で、ESG投信を取り扱う資産運用会社への期待として、投資信託に「ESG」「SDGs」「インパクト」等の名称をつける場合には、「顧客がその名称の趣旨を誤認することのないよう、その商品が当該名称の示唆する特性をどのように満たしているかを、一層明確に説明・開示するべきである」としています。

今後適切な情報開示に対する圧力は一層高まっていくことから、既に多くの企業が進めているESGを適切に評価・情報開示できる体制を引き続き早急に強化していくことが必要と言えます。