SDGsは2030年までの目標ですが、2016年に開始されて以降、それなりの経過しています。現在どのあたりまで達成できているのか、あるいはできていないのか、その進捗が気になる方は多いと思います。
SDGsの達成度や進捗状況をモニタリングしている機関やレポートは様々ありますが、それらの中で最も分かりやすいと評判の「SDGs Index and Dashboards」がこのレポートには含まれています。毎年発行されており、全世界のSDGsの達成状況が国とゴールごとに一目で確認することができます。
本稿では、現時点で最新版の2019年版について簡単に解説したいと思います。
国別の状況は各国をご参照ください。日本はp.248-249に記載されています。ランキングで言うと日本は現在15位(p.20)ですが、決して優等生というわけではありません。この表からもわかる通り、欧州諸国、特に北欧のスコアが軒並み高くなっています。
OECD内でのSDGsの達成度を見ると、日本は教育と産業・イノベーション・インフラの目標(ゴール4および9)以外でのギャップが大きいことがわかります(p. 24)。
2019年版レポートの全体的なメッセージとして、主なものは以下の通りです。
・各国の政治的コミットメントはSDGs達成には足りていない。
・環境にまつわる目標(気候変動、生物多様性)の達成への見通しは悪い。
・持続可能な土地利用・健康的な食生活のためには、農業・気候変動・健康の3つの軸から統合的にアプローチする必要がある。
・高所得国は環境・社会経済に対する負の外部性を多く生み出している
・人権や表現の自由は多くの国で危機に晒されている。
・貧困をなくすことと公平性を担保することは重要な政策課題である。
・SDGsは、以下の6つの変革に大別することができる。
- 教育、ジェンダー、格差
- 健康、幸福と人口統計
- エネルギーの脱炭素化と持続可能な産業
- 持続可能な食物生産、土地・水・海洋利用
- 持続可能な都市とコミュニティー
- 持続可能な開発のためのデジタル革命
・ビジネス界は、複雑であるSDGsをターゲットまで理解をし、またグローバルな野心的目標であるSDGsをよりローカルな文脈に落とし込んで貢献していくべきである。
なお、ここで紹介しているのは2019年版ですが、毎年発行されており、以下のサイトで更新されていきます。
発行元:Bertelsmann Stiftung and Sustainable Development Solutions Network