パーソナリティ:弊社代表パートナー 吉野 賢哉 / フリーアナウンサー 魚住りえ
1.オープニング・トーク
(魚住)
今週で2021年の前半が終わりますが、ここまででSDGs関連で注目したニュースなどはありましたか。
(吉野)
自動車業界最大手のトヨタが電気自動車にシフトし、2030年に電動車の世界販売台数を800万台とする新たな目標を発表したことです。自動車のような裾野の広い業界ですと関連する企業も非常に多く、トヨタが本腰を入れ始めたことで業界全体へのインパクトを与えます。これからまた進化・発展していくのが楽しみです。
(魚住)
今日はSGDsの今を知るトピックスと題して、SDGsの気になる話題を吉野さんに伺いたいと思います。今日のテーマはこの番組でもよく出てきた【SDGsウォッシュ】について改めて詳しく聞いていこうと思います。
2.サステナフォーカス
(魚住)
まず改めて基本的なところですが、【SDGsウォッシュ】とはどういう意味なのでしょうか。
(吉野)
語源は【グリーンウォッシュ】という、環境への配慮を謳っているにも関わらず、実態が伴わない状況の企業を指したものです。【SGDsウォッシュ】とは、SDGsへの貢献をあたかも行っているように謳っているが、実態が伴っていない企業を指します。
例えばですが、アパレル業界においては天然素材などを強調しながら、その製造過程においてはCO2を多く輩出する製造ラインを持っていたり、児童労働などの労働搾取をおこなっていたり、あるいは化学薬品企業がエコな製品をアピールしながら、製造過程で汚染水を垂れ流していたりといった状態が【SDGsウォッシュ】といえます。
(魚住)
企業のSDGsに対するプロモーションがSDGsウォッシュであるとわかってしまった場合、企業にとってのダメージも大きいですよね。
(吉野)
企業の活動が実態を伴っていないことが分かると、消費者は購買行動を控えたり、他社に乗り換えたりといった行動につながりやすく、最悪の場合不買行動に発展します。しかし投資家や消費者への透明性を高め、対外的に公表することで、いい部分はきちんと評価してもらえる社会になってきているのも事実です。
改善の方向性として、SDGsはひとつの部署(広報宣伝部や事業部)だけが行おうとするとリスクが高まります。会社全体として整合性を持つためにも、会社としての一貫性を持った取り組みが必要になってきます。
(魚住)
ここまでの内容を踏まえて、自分の会社がSDGsウォッシュにならないためにも何に気を付ければいいのでしょうか。
(吉野)
シンプルの常識的に考えて、根拠のないことを言わないことです。そして今自分たちが出来ていること、また出来てはいないものの改善の努力をしていることを隠さずに、対外的に透明性を持たせて公開し整合性を持たせることで、自ずと方向性が見えてきます。
うわべだけを取り繕うとするとするのではなく、そもそも本業においてどのようにSDGsに取り組んでいくのかというところからスタートしないと、常に世の中の流れに振り回されてしまいます。動きの原動力や自社の強みを理解し、基礎的な部分のリテラシーを高めていくことが大切です。
3.クロージング・トーク
(吉野)
SDGsウォッシュについて今回いろいろなお話をしましたが、いかがでしたでしょうか。
(魚住)
持続可能な社会にするためのメインアクターは企業であり、私たちであるという言葉がとても印象的でした。まずは私たち一般市民がきちんと知識をつけて行動していくことで、企業もSDGsウォッシュにならないための努力をしていき、いい循環ができるのではないかと思いました。
注:本記事は放送内容の完全な書き起こしではなく、必要に応じて要約や加筆・修正を行っています。また、敬称は省略させていただいています。
「SDGsティーチャー」は、TOKYOFMで2021年10月まで放送されたラジオ番組です。
AuDeeやRadikoのようなラジオアプリからも、過去の放送をご視聴いただけます。https://audee.jp/program/show/51837