ゲスト:一般社団法人Waffle 田中沙弥果さん
パーソナリティ:弊社代表パートナー 吉野 賢哉 / フリーアナウンサー 魚住りえ

1.オープニング・トーク

(魚住)

2020年の7月に全国でプラスチック製買い物袋の有料化が始まって一年が経ちました。吉野さんはエコバック利用されていますか?

(吉野)

エコバック、私も使っています。当初は賛否両論ありましたが、全国でプラスチック袋が有料化されたことで人々が環境について考えるきっかけになったのは大きなインパクトだったと思います。実は不要だったことに気づけたりと、皆さんの生活も変わったのではないでしょうか。

2.サステナフォーカス

(魚住)

本日のゲストは、一般社団法人Waffle 田中沙弥果さんです。本日はよろしくお願いいたします。

2019年に立ち上げられたWaffleは、IT分野におけるジェンダーギャップの解消を目指す一般社団法人です。田中さんは国際女性会議2020にユース代表として選出されたほか、SDGsユースサミット2020若者活動家にも選出されるなどその活動が注目されています。

田中さん、まずはWaffleの活動について教えていただけますか。

(田中)

私たちはIT分野のジェンダーギャップを解消するというミッションのもと、女子中高生向けのIT教育と政府への次世代育成に関する政策提案を実施しています。IT業界の女性技術者は2割ほどしかいなく、大学の時点でギャップがあると考え、女子中学生にアプローチした活動を行っています。

大学進学時点でのジェンダー格差・ギャップに着目しており、例えば工学部に進む女生徒の割合は15%程度だったり、15歳の女性の中で理系の仕事に就きたいと思っている比率も3.4%程度だったりとOECD加盟国の中でワースト1となっている状況です。そこで進学時や就職時の選択肢にIT分野が入っていることが重要であると考えています。

(魚住)

田中さんがこのような課題に関心を持たれたきっかけは何なのでしょうか。

(田中)

もともと小学校のプログラミング教育を学校の先生が実践できるよう支援するNPO法人で働いていたのですが、その際に小学校段階ではパソコンに対する態度は男女で大きな差はないのに、中高になると女の子が離れてしまうということを目の当たりにしました。この問題をどうやったら解決できるのだろうと考えるようになったことがきっかけでした。

現在はビジネスや社会課題解決に興味がある女子中高生向けセミナーでプログラミングという切り口でキャリアを考えるきっかけを与えたり、企業と協業して女子学生のアプリ開発コンテストの支援を行ったりしています。そのような活動を通して、学生が数学やプログラミングの分野に興味を持ち始め、実際にその道に進学しようとする姿を見れることは非常にうれしく思います。

(魚住)

これから女性のITエンジニアが増えるということは社会にとっても望ましいことですよね。

(田中)

そうですね。日本ではIT人材が80万人足りないといわれていて、それを埋めるのは女性だと思っています。特に、フェムテック市場(女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決する分野)において活躍が期待されます。5兆円規模になるこの市場において、多様な人材が活躍することでイノベーションが起こるのではと期待しています。

(吉野)

Waffleの今後の目標を教えてください。

(田中)

法人化してこの一年半で気づいたことは、プログラミングに興味のある女子学生はすごく少ないということです。自分の人生とITが交わらないと思っている大多数の女子学生に対して、ITという選択肢をいれてもらうための取組が必要であると感じています。

フェムテックのように自分の好きなこととITを掛け合わせることで何ができるかの選択肢をもっと見せていくことによって、2030年には女子中学生たちが楽しみながらITで何か活動する姿が当たり前に見られる社会にしたいと思っています。

3.クロージング・トーク

(吉野)

魚住さん、今日のゲストの田中さんのお話を聞いていかがでしたか。

(魚住)

プログラミング=理系、男性とステレオタイプでとらえてしまっていたんだなと気づかされました。これはあくまでイメージであって実態ではなく、その事実に田中さんが教えてくれました。

(吉野)

初等教育のジェンダー平等は日本はトップクラスなのですが、中高等教育にいくにしたがってジェンダーギャップが生まれ、ランキングが下がっていることが分かっています。Waffleのように次の世代に向けてジェンダーギャップを埋めるための活動をし、政策提言も行うという姿勢はすごく素晴らしいと感じました。


注:本記事は放送内容の完全な書き起こしではなく、必要に応じて要約や加筆・修正を行っています。また、敬称は省略させていただいています。

「SDGsティーチャー」は、TOKYOFMで2021年10月まで放送されたラジオ番組です。
同番組では、サステナビリティを実現し社会課題を解決するための活動を行っている団体 や企業からゲストをお招きし、そのきっかけや今後の目標についてお聞きしました。

AuDeeのラジオアプリからも、過去の放送をご視聴いただけます。https://audee.jp/program/show/51837