パーソナリティ:弊社代表理事 青柳仁士 / フリーアナウンサー 魚住りえ

ゲスト:株式会社ポピンズホールディングス 代表取締役社長 轟 麻衣子さん

1.オープニング・トーク

(魚住)

SDGsのゴールの中のひとつに『ジェンダー平等』というものがありますが、いまの日本で女性が活躍できる環境が整っているかというと、まだまだそうでない部分がありますよね。

(青柳)

そうですね。色んな方面で女性の活躍が叫ばれている中、世界の中でも日本はジェンダー後進国といわれています。具体的に働く女性をサポートする仕組みがないと、実現が難しいですよね。本日はジェンダーに関連する活動を行っている企業に来ていただき、いろんなお話を伺っていきたいと思います。

2.サステナフォーカス

(青柳)

本日のゲストは、株式会社ポピンズホールディングス 代表取締役社長 轟 麻衣子さんです。本日はよろしくお願いいたします。

(魚住)

ポピンズホールディングスは、働く女性を最高水準のエドゥケアと介護サービスで支援しますというミッションのもと、1987年に設立された子育て支援や介護支援を行う会社です。現在は全国で保育施設を運営しており、その数は全国320か所以上に及びます。

(青柳)

まずはポピンズの保育サービスの特徴を教えていただけますか。

(轟)

ポピンズは私の母が33年前に設立した会社です。当時は女性は仕事か育児かという二者択一の時代で、フリーでアナウンサーをしていた母が働いていた間の私の預け先を探すのに大変苦労したという実体験をもとに作られた会社がポピンズです。

私たちが目指したのは映画の『メリーポピンズ』の主人公のような、ナニーと呼ばれる子育てのプロです。ナニーは乳幼児ケアや教育、しつけ、マナーまでも研修で学んできています。そういう方々が家族に寄り添ってお子様を預かるというのが、我々の保育サービスです。

(青柳)

ナニーというのは日本からするとなじみがない言葉ですよね。また文化的な反発があるかもしれません。そもそも、ナニーとは何なのでしょうか。

(轟)

ナニーはイギリスでは国家資格を持つ子育てのプロです。お子様の人間形成における大切な時期を一緒にサポートする、いわゆる教育ベビーシッターというような位置づけになります。イギリスにノーランドカレッジという一流ナニーの養成学校があるのですが、我々はそこと27年前から提携しており、研修プログラムを共同開発し、ナニーへの専門研修も行っています。

(青柳)

イギリスやアメリカと日本の文化的な違いもあると思うのですが、日本は子育ては親がするもの、親の愛情の重要という発想があるので、海外でのナニーと家族の関係性というものは日本の考え方では一概に括れないところがあるかと思います。長い時間を一緒に過ごすナニーから受ける影響がとても大きいですよね。

(轟)

親なのかナニーなのか、といった切り分けをするのではなく、みんなで子育てをするという価値観が重要であり、『誰から愛情を受けたか』だけではなく『どれだけ愛情を受けたか』が大切であると考えています。

(青柳)

一方、コロナ禍でリモートワークを行う人々が増えましたが、保育サービスになにか制限や影響はありましたでしょうか。

(轟)

緊急事態宣言下にエッセンシャルワーカーのご家族以外に一度お休みをいただき、感染対策や安全なプロトコルの実施方法などを検討しました。その間にも在宅勤務で働くお母さまからのSOSをたくさんいただき、その中でオンライン会議の間だけ子供を預かる、在宅勤務中に子供とお出かけする、またはオンラインで宿題を見るなど、新たなニーズが生まれてきましたような気がします。

(青柳)

昨年東証一部に上場されたということで、上場を決めた理由をお伺いできますか。

(轟)

創業から今まで赤字決算をしたことがなかったり、銀行との関係も良好であったため資金調達のニーズが今までありませんでした。しかし昨今の女性進出やジェンダーの高まりを感じており、働く女性を支援するという我々の事業そのものが社会課題の解決に直結している企業として、より多くの人々に我々のサービスを知っていただきたいという思いで上場を決めました。

3.クロージング・トーク

(青柳)

日本ではまだ小さな子供を預けて働くということに理解を得られない場面もあるかと思いますが、もっと気軽にサービスを利用できるようになるにはどんなことが必要だと思いますか。

(轟)

まず一つは『子育てはママがするもの』という風潮を変えていくことです。共働き世帯が増えてきた中で、女性が家事・育児・仕事を両立させるのは不可能です。核家族が増えていく中で、家庭内ですべてを賄うことが難しい場合はプロの手助けがあってもいいのではないでしょうか。

二つ目はベビーシッターやナニーを利用するのは親が楽をしたいからというネガティブな考え方ではなく、家族がみんな豊かで幸せな時間を過ごすため、というポジティブ思考に変えていくこと、です。親が何かに追われる状態から、少しでも余裕をもって笑顔で過ごせることが家族にとってとても大切です。

最後に、ベビーシッターは一部の富裕層のためのサービスではなく、誰でも利用できるサービスであることをもっと広めていくことです。現在は政府や自治体からの助成金やベビーシッターチケット、会社の福利厚生などで、金銭的なサポートは実はたくさんあるということを知っていただきたいです。

注:放送内容の完全な書き起こしではなく、必要に応じて要約や加筆・修正を行っています。また、ゲストの敬称は省略させていただいています。


TOKYOFMで、毎週日曜の朝7:00からオンエアされている「SDGsティーチャー」。

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https://audee.jp/program/show/51837

SDGsの一歩進んだ活動を行っている企業やNGO、行政のキーパーソンに、その活動の詳細をお話いただいています。