パーソナリティ:弊社代表パートナー 吉野 賢哉 / フリーアナウンサー 魚住りえ
1.オープニング・トーク
魚住:今日は【SDGsの今を知る】トピックと題しまして、これからのクルマ社会をテーマに吉野さんにお話を伺います。
吉野:2016年に独ダイムラーが自社の中長期戦略を発表した際に用いられた「CASE」がポイントになってきます。「CASE」とは、コネクテッド(Connected)、自動運転(Autonomous)、シェアリング(Shared & Service)、電動化(Electric)の4つの頭文字をとって作られた言葉で、今後ダイムラー社はこれを指針にするとの宣言でした。
これはSDGsとも非常に関わりの深い部分になりますので、そのあたりを詳しくお話ししたいと思います。
2.サステナフォーカス
魚住:まず将来的に自動車は、ガソリン自動車に代わって電気自動車が主流になる日が来るのでしょうか。
吉野:世界的な大きな流れとしてはそうですね。最も進んでいるノルウェーやイギリスではすでにガソリン車の販売が禁止になっています。日本はハイブリッド車はOKですが、ヨーロッパやカリフォルニア州ではハイブリッド車も2030年までに販売禁止となっています。
魚住:世界に比べると日本の電動自転車への取り組みは進んでいるのでしょうか、それとも遅れているのでしょうか。
吉野:一般的には遅れていると思われがちなのですが、電気化ではなく「電動化」という観点で見ると、日本は世界で2位と言われていて非常に進んでいます。これはハイブリッドを含んでいます。ただし、電気自動車のみで考えると普及率は1%未満ということで、まだ普及が進んでいません。その背景として、日本の市場において自動車メーカーが強いのがあります。
魚住:先日電気自動車に乗ったのですが、とにかく充電に時間がかかる上にステーションが少なくて、気を遣いながら走った思い出があります。そのあたりも今後改善されていくのでしょうか。
吉野:今後普及にあたって、充電ステーションの少なさが課題になっています。ステーションの拡大はコストの部分で一企業の努力だけでは難しいですが、自治体などが協力し、将来の目標数を掲げています。
ただ欧米では自動車産業だけの話ではなく、地球の未来を考えるという大きな視点・目標に向かって産官学連携の上で電気自動車への取り組みを進めています。日本においても、政府がその中心・軸として方針を示しつつ、業界の横のつながりを活かしながら大きな目標に向かって進んでいくための取り組みが今後必要になってくるのではと思っています。
魚住:SDGsの視点から今後のクルマ社会を考えたときに、脱炭素に貢献できる方法はありますか。
吉野:各業界で知りえる脱炭素の情報を共有していく、またはその業界の中で出来ることをしていくことが効果的なのではと考えています。
注:本記事は放送内容の完全な書き起こしではなく、必要に応じて要約や加筆・修正を行っています。また、敬称は省略させていただいています。
「SDGsティーチャー」は、TOKYOFMで2021年10月まで放送されたラジオ番組です。
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