パーソナリティ:弊社代表パートナー 吉野 賢哉 / フリーアナウンサー 魚住りえ
魚住:今日はSDGsの今を知るトピックスと題して、SDGsの17の目標の中から1番目の「貧困をなくそう」をテーマに吉野さんにお話を伺います。まずは改めて、SDGsゴールの①「貧困をなくそう」とは具体的にどんなことを目的にしているのでしょうか?
吉野:はい、SDGsゴールの一番最初にあげられている「貧困をなくそう」は、具体的には一日1.90ドル以下(約200円)で生活をしている、いわゆる絶対的貧困の人をなくそう、という目標です。
魚住:実際にそういう人はどれぐらいいらっしゃるのでしょうか?
吉野:2015年のデータでは、世界人口の約10%ですので大体7億人ぐらいいると言われています。コロナ前でもこのペースで行くとSDGsゴールを達成する目標の2030年においても6%が絶対的貧困の状態にいることが予想され、貧困撲滅の到達は難しいと言われていました。
魚住:コロナの影響で貧しい人が増えてしまったのではないですか?
吉野:コロナの影響によって新たに7千万人が絶対的貧困の危機に瀕しているとも言われています。私もインドの事業とかをしていますが、インドではコロナの影響で仕事を失ったりして子どもを学校に行かせる学費を払えない親御さんとかが実際に増えています。インドの校長先生などからお話を伺っている中では、学費の徴収に苦労していて、先生の給与も50~75%ぐらいしか払えていないという話を聞きます。
魚住:世界ではそのように実際に貧困の人が増えてしまっているということですが、経済大国と言われる日本でも「貧困」が大きな課題になっているということです。その実態はどのようなものなんでしょうか?
吉野:日本は先ほどの 一日1.90ドル以下で生活している絶対的貧困の人はそれほど多くないのですが、相対的貧困の人が結構います。相対的貧困は国の生活水準や文化水準を下回る状態に陥っていることを言うのですが、具体的には、その国の等価可処分所得、つまり世帯ごとに税金などを払った後に自由にできるお金の中央値の半分以下の世帯のことです。例えば、もし中央値が240万円であれば相対的貧困線は 120万円ということになります。日本は相対的貧困率は2015年時点で15.7%となっています。
魚住:多いですね。。
吉野:はい、先進国の中では中国とアメリカに次いで3番目に高いんですね。経済規模の世界1,2,3位がそのまま相対的貧困率の割合が高い国となっています。
魚住:コロナでさらに格差が広がっていると言いますよね。