ゲスト:認定NPO法人フローレンス 代表理事 駒崎弘樹さん
パーソナリティ:弊社代表パートナー 吉野 賢哉 / フリーアナウンサー 魚住りえ

サステナフォーカス

魚住:本日のゲストは、認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんです。駒崎さんは、2005年に日本初の「共済型・訪問型」病児保育を開始し、2007年にはNewsweekの「世界を変える100人の社会起業家」に選出されるなど、世界から注目されてきました。「親子の笑顔を妨げる社会問題を解決する」を掲げ、日本初の障害児保育園ヘレンを立ち上げたほか、待機児童問題解決や赤ちゃん縁組事業、こども宅食事業などにも取り組んでいます。

吉野:認定NPO法人フローレンスはどういうきっかけで立ち上げられたのでしょう?

駒崎:元々母がベビーシッターをしていたんですけれども、その母からあるエピソードを聞いてそれがきっかけになりました。どんなエピソードかというと、母のお客さんの子どもが熱を出して双子だったのでお互いに移しあっちゃって、割と長い間会社を休まざるを得なかったそうなんです。なぜ休まざるを得なかったかというと、保育園は熱を出した子をお預かりできなかったからなんです。このため、会社を長期間して看病していたところ、結果として会社をクビになってしまったんです。その話を母から聞いたときに、すごい違和感があって、子どもが熱を出すのって当たり前のことだし、看病するのが当たり前なのに、当たり前のことをして職を失っちゃうような社会にいたのか、ということを知って「これはいかんだろう、じゃあ子どもが熱を出したときに社会が預かってあげればいいじゃないか」って思ったのがきっかけでした。

魚住:ひとり親の場合、パートナーが助けてくれない訳ですから、より大変そうですね。

駒崎:ひとり親の問題は非常に深刻です。日本の一人親の貧困率は54%と先進国の中で最悪の水準です。そのうち約8割以上は働いていて何とか生計を立てているのですが、働いても働いてもワーキングプアになってしまう。そういう時に子どもが熱を出して何度も休むとどうなるかといういと、6割以上は非正規雇用のため、休むと給与が支払われなくなってしまうということで、生活が困窮してしまう状況です。なので、ひとり親こそ病児保育が必要なんですが、なかなか活用できないという中で、我々はひとり親プランとして原資を寄付で頂いて、その分、安価に病児保育を提供するということをしています。

吉野:どれぐらい価格が抑えられているのでしょう?

駒崎:我々の病児保育は訪問型・共済型病児保育という形で、病児専門のシッターがご家庭を訪問する仕組みになっています。通常のベビーシッターは一時間3千円ぐらいなんですが、我々は月々掛け捨てで平均7~8千円になっていて、ひとり親の方はこれが月々千円で使える形になっています。それだけだと当然赤字になるんですが、それを寄付で埋めているという仕組みになっています。

吉野:それは本当にだいぶ価格を抑えられていますね。

駒崎:これを無料にしていないのは、自分でお金を払っているという感覚を持っていただくのがすごく大事だからです。ひとり親の方々はたまたま経済的に困窮しているだけで潜在的な能力とかやる気がおありの方が皆さんとても多いんですね。ですからある種の弱者として扱う訳ではなく、本当に可能性のあふれる方々でたまたま社会の状況がそれを許していないだけなので、可能性にあふれた方々として接するのがすごく大事かなと思っています。

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