パーソナリティ:弊社代表パートナー 吉野 賢哉 / フリーアナウンサー 魚住りえ


魚住:今日はSDGsの今を知るトピックスと題して、SDGsの17の目標の中から8番の「働きがいも経済成長も」をテーマに話をしていきます。具体的にどういったことが求められるのでしょうか?

吉野:はい、環境に配慮しながら経済の成長を目指して、全ての人が幸せに暮らせるような雇用体系を整えていこうということを目指しています。こうやって目標になっているということは現状できていないということです。いくつか要素がありますが、一つは、経済成長を目指す事業において、環境への配慮を忘れないことです。これまでは原材料→生産→消費→廃棄という一方向に流れるいわゆるリニアエコノミーが主流でしたが、廃棄だけではなく、リサイクルをするサーキュラーエコノミーを実現するなど環境への配慮をするということです。もう一つは、 企業のバリューチェーン全体において、働く環境や条件を整えるということです。人種・性別・障がいの有無に関わらず、きちんとした条件・環境のもと働けるようにすることと、強制労働・児童労働・人身売買等を撲滅することです。

魚住:最近は新聞などで「ディーセント・ワーク」という言葉を目にすることがありますが一言でいうと、どういう意味ですか?

吉野:ディーセントは直訳すると「きちんとした、適切な」という意味ですが、ディーセントワークとは、「働きがいのある人間らしい仕事」という意味で使われます。背景としては、一つは、これまで市場経済の「見えざる手」の存在、つまり、企業が自社の利益のみを追求していくと全体的に良い結果になる、ということが信じられてきました。しかし、企業が自社の利益のみを追求した結果、その考え方では立ち行かなくなってきたいという状況になっています。ジェフリー・サックスさんという方は、企業の原則は「害をなすことをしない(Do No Harm)」であるべきだと言っています。利益が出るからと言って企業は事業活動において何でもしてよい訳ではない、という考え方のシフトが起きています。もう一つは、2003年に緒方貞子さんとアマルティア・センさんが共同議長を務めた国際会議で提唱された「人間の安全保障」という考え方です。人間が恐怖や欠乏という悲しい、辛い状況から解き放たれて、安心して生存でき、人間らしい生活ができる状態をつくることが必要だということを提唱しました。こうした流れからディーセント・ワークという考え方がSDGsのゴール8になっている訳です。

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