魚住:そもそもミドリムシ、ユーグレナに着目したきっかけは何だったんですか?
出雲:僕は大学三年生の二十歳の時にミドリムシ命って決めたんですよ。僕は大学にいたときにとにかく栄養の勉強をしていたんですね。とにかく何か体に良いもの、健康に良いもの、みんなが元気になるような栄養の塊を探しまくっていたんです。
じゃあなんでそんなに栄養、栄養っていうかって言うと、まぁここが僕のスタート地点なんですが、生まれて初めて大学一年生になって海外に行ったんですね。僕の行った先がバングラディシュという国なんです。行ったら本当にびっくりしたんですけれども、まぁ最貧国ですから、非常に貧しいんです。でも僕がびっくりしたのはその貧しさにびっくりしたんじゃないんです。
みんな食べ物がなくて困っているんだろうなと思って行ったんですけれども、すごいカレーが出てくるんですよ。まぁインドの隣の国ですから、ごはんは朝昼晩カレーが出てくるんですけれども、貧しい途上国だって聞いていたので、ごはんもほんの一口分ぐらいのちょっとしかないのかなと思って行ったら、大盛り・山盛りカレーがもう食べきれないくらい出てくるんですよ、毎日。
吉野:それは意外ですね。
出雲:でしょう?一番貧しい国で山盛り出てくるから、僕もびっくりしてですね。これは後で日本に戻ってきてから調べたんですけれども、いま皆さんはお米毎年どれぐらい食べているかというと、大体皆さん70キロぐらい召し上がってるはずなんですね。でもバングラディシュの人は、同じ一年間で200キロお米食べてるんですよ。
魚住:ええっ!?
出雲:単純に皆さんの大体三倍くらいお米を食べてますから、それだけでお腹いっぱいですよね。でも他のものが何にもないんですよ。たまねぎも、人参も、お肉も、お魚も、卵も牛乳も何にも食べられないんですね。だからもう米だけなんですよ。カレーにも具が入っていないんですよ。満腹にはなりますが、新鮮な果物も野菜もお肉もお魚もないので、栄養バランスがもうメチャクチャなんですね。
魚住:炭水化物ばっかりだから全然栄養が足りてないんですね。
出雲:そうなんですよ。だから栄養失調でみんな困っていたので、それで僕は帰ってきてからとにかく栄養が良いものがないかなと思っていたら、ミドリムシは植物ですからビタミンとかそういう栄養素を作るんですけれども、動物性のたんぱく質も持っているし、魚のDHAとかEPAとか脂肪酸も作りますし、もう栄養満点なんですよ!
それでこれをバングラディシュのみんなに食べてもらって元気になってもらおう、と思って、もうそこからはミドリムシ一筋人間、もう人生ミドリムシですね。