パーソナリティ:弊社代表理事 青柳仁士 / フリーアナウンサー 魚住りえ
1.オープニング・トーク
(青柳)
本日は知っているようで意外と知らないSDGs周りについてお話していきたいと思います。
2.サステナフォーカス
(青柳)
本日は「SDGs」と「サステナビリティ」の2つの違いについて説明していきたいと思います。
「サステナビリティ」とは持続可能性と訳されまして、世界を持続可能にしていこうとするためのすべての取組を指します。ですのでSDGsはサステナビリティのひとつとして含まれています。サステナビリティの特に重要なタイヤの一輪がSDGsという風にイメージしていただければと思います。
これに対しもうご存じの方は多くいらっしゃると思いますが、「SDGs」は国連で提唱された17個のゴールです。
また「ESG」は主に投資の世界で使われる言葉であって、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字をとって表示されています。これらは非財務価値と呼ばれ、企業の価値の判断基準として利用されてます。
SDGsは国が決めた取り組み(国際合意)であるのに対し、ESGは投資家が決めた株式市場の新しいルールでして、この二つは全く異なるものなのですが、同じものとして誤解されている方がまだ多くいらっしゃいます。
ESGは、投資家が企業からより多くの情報を引き出し投資を行うかどうかのために必要なものとなっており、外部の評価機関が多く存在しています。それぞれの評価基準にあてはめて企業活動を見たときに社会にどんないい影響を与えているか、また負荷を与えているかを統合報告書やサステナビリティレポートにまとめて公開しているので、ホームページを見るとそれが確認できます。
(魚住)
お話を伺っていると、では何をしていったらいいのだろうと思われるリスナーさんも多いと思います。
(青柳)
この流れを捉えて、対応するのはもちろんなのですが、その際に「バックキャスティング」で考えることが重要になります。これは自分の次の目標をどこを基準に考えるかの考え方なのですが、現在や過去を起点に考える方法を「フォアキャスティング」と呼び、バックキャスティングとは反対の意味合いになります。バックキャスティングは未来を基準として考え、そこから逆算して考える方法になります。
つまり、今までとは全然違うアプローチで新しい変化を起こしていかないとSDGsを達成できないという考えのもと、付加的な変化を起こすために企業が何をするかを考えて実行する必要があります。
例えば自動車産業をSDGsのゴール1から考えた場合、貧困層がなくなるということは車を買える顧客が7億人増えるということです。また、ジェンダー格差がなくなれば世界的に女性のドライバーは増えます。そうすると、今度は交通渋滞や都市の過密化が予想されますよね。その際に再生可能エネルギーへの対応やシェアリング、循環型社会への切り替えを推進していかなければいけません。
本番組の1回目のゲストの大川印刷の大川社長もおっしゃっていましたが、将来的に人と社会に必要とされる企業が生き残り、成長を続けていくという本質を高めるためにSDGsに取り組み、評価や結果は後からついてくるというスタンスがおそらく正しいのではと思います。
3.クロージング・トーク
(青柳)
本日をもちまして、番組を卒業させていただくことになりました。今まで放送をお聞きいただきまして、本当にありがとうございました。2016年のSDGsに携わった当時は仲間やサポーターも少かったですが、今は魚住さんをはじめ企業や政府、たくさんの方々に支えていていただけていると感じています。これからも皆さんの行動・取り組みに期待しています。
注:本記事は放送内容の完全な書き起こしではなく、必要に応じて要約や加筆・修正を行っています。また、敬称は省略させていただいています。
「SDGsティーチャー」は、TOKYOFMで2021年10月まで放送されたラジオ番組です。
AuDeeやRadikoといったラジオアプリからご視聴いただけます。https://audee.jp/program/show/51837