IPCC報告書とは?
- IPCCとは?
IPCCとは、「気候変動に関する政府間パネル」の英文略字で、各国政府に対して、気候政策の策定に利用できる科学的情報を提供することを目的として1988年に世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により設立された政府間組織です。2022年2月現在、195の国と地域が参加しています。
- IPCC評価報告書とは?
IPCCは、政策を決定する政府関係者等を対象に、気候に関する科学者の研究結果を客観的・中立的な視点から定期的に発信し、国内法制定や国際条約の交渉における情報のベースを提供しています。本報告書は、世界67カ国の270人の研究者が科学誌に発表した34,000以上の論文等に基づいて作成され、政府関係者や専門家によるレビュー(査読)を経て、最終的に作業部会の承認を得て完成・発表されました。
政策を決定する政府関係者を主な読者と想定しているため、科学的で客観的な内容となっており、直接ビジネスに活用しづらい面もあるかもしれませんが、本報告書が各国の政策の方向性を決める上でベースとなる資料となっていることから、大きな政策的方向性を把握し、その流れを先取りして自社戦略に落とし込むことで競争優位を強化するために活用できると言えます。
- IPCC第6次評価報告書と作業部会とは?
IPCCには、3つの作業部会があります。それぞれの作業部会の役割は以下の通りです。今回の報告書は第2作業部会によるものであり、2022年2月に8年ぶりに公表されました。
・第一作業部会:気候システムおよび気候変化に関する科学的知見についての評価
・第二作業部会:気候変化の自然および社会経済への影響および適応策についての評価
・第三作業部会:気候変化の緩和策ならびに温室効果ガス排出シナリオについての評価
IPCC第6次評価報告書は、全部で8本の報告書から成っています。海洋など特定のトピックを扱った特別報告書3本、上記3つの作業部会の作成する報告書3本、CO2排出量の算出方法を更新した改訂報告書1本、そして、全体をまとめた統合報告書の合計8本です。