パーソナリティ:弊社代表パートナー 吉野 賢哉 / フリーアナウンサー 魚住りえ
魚住:今日はSDGsの今を知るトピックスと題して、SDGsの17の目標の中から目標4の「質の高い教育をみんなに」をテーマに吉野さんにお話を伺います。まずは改めて、SDGs17の目標に「教育」がなぜ含まれているのでしょうか?
吉野:教育はよく国の礎と言われるように、人材育成のベースであり、SDGsの中でも最も大事なゴールの一つです。「質の高い教育」は経済社会的な状況を改善し、貧困撲滅を可能にするなど、SDGsの17ゴール全ての実現に寄与するものと位置づけられています。
魚住:世界が直面している教育における課題というのは、具体的にどういった点なんでしょうか?
吉野:教育の目的は、一般論として社会で生きていく上で必要なスキルとマインドを教え・習得することと言えます。最も基本的なスキルは読み書き・そろばんですが、それができない若者が約6億人いると言われています。また、大人でも7.5億人が読み書きできないと言われています。そのうち、三分の二は女性、半数は南アジア、四分の一はアフリカのサハラ砂漠よりも南の国々にいると言われています。世界にはこのようにまだ読み書きができない人も多くいます。
魚住:取り残されている方々がまだまだいらっしゃるということですね。
吉野:はい、読み書きは日本ではできる人がほとんどですので、読み書きができないという状況があまりよく分からないかもしれませんが、例えば、海外に旅行に行ってスーパーで売っているものに書いてあることが分からないとか、道路標識になんて書いてあるのか分からないというような状況を思い浮かべて頂くと、より身近に感じられるかもしれません。
魚住:確かにそれは不自由ですね。
吉野:コロナ感染症により教育も影響を受けていて、世界の91%の学校で一時的な学校閉鎖で16億人の子供が学校に行けなかったと言われています。これは、教育という観点だけでなく、学校給食に栄養の摂取を頼っている人が約3億人いると言われていますので、こうした子どもたちの栄養面でも大きな影響が出ました。