魚住:いろいろお話を伺いましたが、日本の教育の質を上げていくために私たちができることは何なんでしょうか?

吉野:身近なところでいうと多様性を認めるというのは一つの鍵だと思います。家庭や職場で多様性をどんどん認めていく。ジェンダーバイアスの話がありましたが、バイアスは自分でバイアスを持っていると気づいている人はそんなに多くないと思います。思考は唯一絶対的自由の領域なので、そこを変えてくださいと言って、はい、わかりました、と変わるものでもないわけです。となると、できることとしては、差別的発言をしないとか、モラハラ・セクハラなどの差別的行動を見たら指摘・通報する。思考は自由の領域ですので無理やり変えることはできませんが、差別的な言動は防いでいく。職場でも家庭でも学校でもそういう連鎖が広がっていくので、我々全体の問題として捉えていくことができます。

魚住:周囲やSNSから聞く言葉に影響を受けて、差別的なことを無意識で言ってしまうこともありますので、まずは言わない、そういうことを言っている人がいたら指摘・通報する、ということから始めるのは良いことかもしれません。

吉野:そうですね。本人も差別という意図がなくて何気なく言ったことが実は差別的発言だったということもあると思いますので、それがいけないという意識を生むためにも、指摘や通報を通じて教えてあげるという感覚かもしれません。

魚住:正に教え、教えられる、教育ということですね。


注:本記事は放送内容の完全な書き起こしではなく、必要に応じて要約や加筆・修正を行っています。また、敬称は省略させていただいています。

「SDGsティーチャー」は、TOKYOFMで2021年10月まで放送されたラジオ番組です。
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