吉野:観光客にとっても自治体にとってもウィン-ウィンのプロジェクトだと思うのですが、地元の方々はどんな反応だったんですか?

中川:じつは元々釣り人ってあまり地元から歓迎されないパターンも多いんです。波止場で釣る人とかは外からコンビニ弁当持って、エサも持ってきて、釣るだけ釣ってゴミだけそこに落として何もお金を使わずに帰っちゃうと、町の人からすると魚という資源だけ取られて、ゴミだけ置いていかれたって考える方もいらっしゃいます。それを釣りだけではなく、観光とかにつなげることによって、町にお金が落ちる可能性がすごく出てくるので、比較的良く受け止めてくださる方が多いと思います。

吉野:なるほど。確かに町の人からするとお金を落とさずに資源だけ取って、ゴミを置いて帰ってしまうというのは困りますね。

中川:はい、それだとなかなか持続可能にならないかと思いますので、できれば町側も釣った魚を捌いてくれるお店を紹介して、そこで魚を食べたらお酒も飲みたくなるからお酒を飲んで、そうなるとじゃあ一泊しようかってなって、で一泊して、折角止まるなら翌朝近くの他の観光も楽しもうってなって、そうすると町に落ちるお金もぐるぐる増えていくと受け入れもしやすいですし、釣り人の人たちも気持ちよくその地域に通えると思うので、そういった取組みを増やしていきたいです。

魚住:釣りを通しての地域活性化はどのあたりでSDGsと関連しますか?

中川:関連付けで言いますと、やはり目標14の「海の豊かさを守ろう」や、目標11の「済み続けられる街づくり」というところで、漁師の担い手を増やすだったり、海だけではなく地域を盛り上げたり、仕事を作るなどいろいろなところに関連すると思います。

吉野:コロナによって在宅勤務が広がって、地方に移住される方も増えていると聞きますが、西伊豆に移住される方も増えているのでしょうか。

中川:西伊豆町は役場の方々がすごくフレンドリーで受け入れる土俵が大きいので、この前も役場に遊びに行ったときに、移住を検討されている方が相談しているところをお見かけしました。コロナ前から若者を中心にUターンはもちろん、Iターンも進んでいて、世界各国を回った方が最終的に自然がまだまだ豊かでチャレンジングなことができるような土地を探しているような方が結構いらっしゃって、すごく面白い町です。

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