魚住:中川さん、2030年に向けてはどんなビジョンを描いていらっしゃいますか?

中川:はい、2つありまして、一つ目は、釣りって今はものすごくハードルが高いコアな趣味って思われがちなんですけど、実はすごく手軽ですし、すごく地域を味わえる切り口になると思っているので、釣りを入り口に地域活性できるやり易い観光コンテンツという風に設計したいと考えています。もう一つは、漁業の世界ってものすごく魅力的なんですけど、それ以上に課題がものすごくいっぱいあるんですね。これを一般の方はまだまだ知らないことがあるので、そういった彼らの魅力と課題をシンプルに知って頂いて、それをみんなで笑いながら解決できるような仕組みを作っていきたいと思っています。

吉野:ちなみに、どんな課題があるんですか?

中川:いっぱいあるんですけど、やはり深刻なのは担い手不足です。今後世界で魚が食べられなくなるとかニュースで言われるんですけど、日本は魚が減るよりも漁師さんが減るスピードの方が速いので、魚の前に漁師がいなくなるって言われてるんですよ。他にも漁獲量も減っていますし、そういった課題を一つずつ、生活者の方々が知っていてその上で美味しく食べるとか楽しくイベントに参加することで実はそれを解消していけるような楽しい方法があれば、頭を固くせずにシンプルに参加していけると思うので、そういった取り組みを作っていくのが大事だと感じています。

吉野:漁網だったり釣り糸など漁業が生態系に及ぼす影響についてもよく言われますが、そういった分野での取り組みも課題としてあるかもしれませんね。

中川:そうなんです。エコな取り組みもすごく増えてきていて、網を洋服などに作り変える取組みや、魚をしっかりと守っていくために漁網の網目を大きくして小さい魚を逃がすとか、大手のキャリア支援をする会社とかも新規事業で、定置網の魚の状態を遠隔操作のカメラやAIを使って見極めてから獲りに行く方法で往復のガソリン代や人件費の削減する仕組みをはじめたり、いろいろな仕組みが入ってきているので、漁業においてもエコが盛んになっていくと思います。

吉野:いろいろなことができそうですね。今日はどうもありがとうございました。

中川:ありがとうございました。

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