吉野:出雲さんのメンターはムハマド・ユヌスさんというノーベル賞受賞者ということで、メンターになって欲しくてもなかなかなって頂けないような方です。

出雲:こんなありがたいことないですよね。ムハマド・ユヌス先生は本当に僕の人生の師匠、先生、メンターなんですね。素敵な方なんですけれども、僕が一番ユヌス先生に教えてもらってみんなにも知って欲しいと思っているのは、最初の一歩、小さくてもいいからとにかく行動することの大切さなんです。

これ何かって言うと、サステナブルな社会を作るとか、SDGsっていうと皆さん「そんな僕は一人でそんなSDGsとかすごいこととてもできないし、自分一人が行動様式を変えたって、世の中にそんな大きなインパクトを与えられないから自分とは関係ない。SDGsは難しいし他の誰かや、大企業や国がやることでしょ?」って思ってる人が結構多いと思うですよ。

ただ、僕がユヌス先生に教えて頂いた一番大事なことは、先生はグラミンバンクを立ち上げてバングラディシュのような世界で最も貧しい人にお金を融資し続けて900万人の世界で最も貧しい人を救った人なんですね。900万人ですよ!900万人の人を救うというのは本当にすごいし、先生がいつも言うんですけれども、最初の一歩は1973年にたった42人の人に2,700円貸してあげて応援するところからグラミンはスタートしたんだと。ここからスタートして900万人の人を救うという偉大な仕事成し遂げた。

最初の一歩はどんな人だってすごく小さいんだと。900万人助けてきたけれども最初は42人なんですよ。2,700円なんですよ。でもゼロじゃないんですね。だから一人ひとりの行動が変わっていくということが、どれだけパワフルなことなのかというのを先生いつも教えてくれるんです。

皆さんの一日の一人の行動がちょっと環境にやさしいものに変わるということが大したことがないように見えて、世界をよくしていくためには、その一歩が不可欠なんですね。これが一番大事なんですね。教えてくれたユヌス先生は今81歳なんですよ。81歳のユヌス先生が900万人救ってまだ頑張っているんですよ。

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